masa_stocksの《じっちゃま》投資技法への考察

じっちゃまから学んだ事をまとめています。

(028)米国債について、その②〜デフォルトとは〜

f:id:masa_stocks:20211002134121j:image

初めに

じっちゃま曰く、《10月18日が米国デフォルトのXデー。》デフォルトて何?という事で、勉強してみました。

デフォルトとは

 国が借金の利子や元本の一部又は全部を返済できない状態をデフォルトといいます。全ての国は、税収だけでは財政支出を補えないため、その一部を賄うために国債を発行して借金をしています。その金利の支払いができなかったり、満期時の償還金の支払いができなければデフォルトになります。

↓↓国債収支について↓↓

[009]経済のお勉強〜其の五〜国際収支|Masa|note

借金は返せないのか

f:id:masa_stocks:20211002113245j:image

 返せないことはありません。一般企業なら資産を売却するなど必要になりますが、国家は自身で通貨を発行できます。通貨を発行してしまえば自国通貨建の借金は返済可能です。特に米国の場合基軸通貨のドル=自国通貨ですので刷れば借金は返せます。この点が社債等と大きく異なる点です。

 ただし通貨を単に借金を返せないという理由だけで発行すると、他通貨と相対的に価値が目減りするためインフレに陥る事は想像に難くありません。また国債の格付けも下がるため経済はガタガタになる事は間違いありません。

過去のデフォルトの例

f:id:masa_stocks:20211002134050p:image
(図=アルゼンチンペソ為替推移)

 1962年までアルゼンチンは1人当たりのGDPがかつての宗主国スペインやオーストラリア、イタリア、日本よりも高く比較的経済的に裕福なかなでした。しかし政策の行き詰まりもあり、2001年に債務不履行に陥りました。上図はアルゼンチンペソの為替推移です。過去は政策上の固定レートの時もありましたが、2001年のデフォルト以降のペソは酷い状態です。今経済大国としてアルゼンチンを認識している人は皆無でしょう。

 政府のお金が無いわけですから、公務員の給与は払われず、公共機関は機能せず国としてガタガタになる事は言うまでもありません。かつてアルゼンチンに旅行に行った時、皆南米特有の雰囲気で明るく過ごしていましたが、やはり治安は悪そうだなという雰囲気でした。

 

今何が起きているか('21/10現在話題の債務上限問題)

f:id:masa_stocks:20211003134236j:image

 米国債の発行は合衆国憲法(第1条第8項)に基づき連邦議会が定めた第二自由公債法により発行されます。この中では国債残高に制限額を課しその範囲内であれば自由に国債を発行し資金調達できるという事になっています。逆を言えば上限が切られているという事です。

 米国での国債は、都度国庫の資金繰り上の必要性から発行されています。参考までですが、日本は単年度の予算における歳入・歳出の差額を埋めるという単年度主義に基づき発行されています。

 '21/10現在で、米国の債務不履行懸念があり、金融市場はこの成行を注視しています。それは上記の国債残高制限額が要因です。債券は議会が定めた法律に基づき発行されますがこれには上限があるため、連邦債務残高が上限を超過した場合には限度額を引き上げない限り新規の発行はできません。特例措置として2019年7月からは債務法定上限を2年間だけ除外されるよう特例が設けられました。その2年間の適用停止が2021年7月末に期限を迎え8月1日から法定上限が復活しています。米財務省は緊急措置を発動し地方政府向け特別国債の発行を停止したり手元資金をやり繰りしているなど対応を行っているようです。

 議会上院で与党(民主党)主導で上限を再度一時的に外すための法案審議が行われていましたが野党(共和党)の反対で可決されず資金繰りに窮しています。

f:id:masa_stocks:20211003115654j:image

(図=S&P500株価、28日から下落)

 イエレン財務長官は28日に連邦政府の債務上限問題への対応が遅れると10月18日以降に資金が尽きると発言しました。これは国債の償還や利払いが滞るデフォルトに陥る可能性がある事を示唆します。そのため市場に影響を与え株価は低下しました。引き続き注視していく必要ありです。

最後に

 今回は直近で話題となっているデフォルトについて勉強してみました。これだけではなく、中国含めリスクが顕在化している状況ではあるのでキャッシュポジション高め暴落に備えたいと思います。(投資は自己の判断で!)

 

最後まで読んでいただいてありがとうございます☆